誰もがWordleを楽しめるように

英語が母語ではない私は、NYTの人気ゲーム Wordle を遊ぶたびに苦戦することが多くありました。ゲーム自体はとても面白く、頭を使う良いチャレンジなのですが、英単語の語彙が少ないため、パターンが見えても答えが思い浮かばず、行き詰まってしまうことがよくありました。 「もっと楽しみたいのに、語彙力の壁が邪魔をしてしまう」——この体験が、Wordle Helper を作るきっかけとなりました。

■ 自分の悩みから生まれたアイデア

Wordle Helper の発想は、自分自身の不便さから始まりました。辞書や単語リストを使って語彙を増やすことはできますが、時間がかかり、ゲームの楽しさが半減してしまいます。 同じように、Wordle が好きなのに「語彙力不足」が原因で十分に楽しめない人は世界中にいるのでは？ と思うようになりました。

そこで私は、 持っているヒント（文字）を入力するだけで、使える単語の候補が分かるツール を作ろうと決めました。 答えを“丸ごと教える”のではなく、ゲーム性を損なわずに楽しさと学びを両立できるツールを目指しました。

■ ユーザー視点でデザインしたツール

開発において私が最も大切にしたのは「使いやすさ」でした。 Wordle Helper は「答えを教えるチートツール」ではなく、考えるヒントを与えるサポートツールです。

直感的に使える操作性

すばやく候補を表示

ユーザーが自分で発見する楽しさを残す

単語のパターンに気づいたり、新しい単語を覚えたりする過程も楽しめるよう、UI・設計すべてに工夫をしています。 「ゲームの延長線にある自然なサポート」になるよう心がけました。

■ AIが果たした役割

開発にはAIの力も活用しました。 ユーザーが入力した条件から、可能性のある単語候補を高速で生成するアルゴリズムを構築するのは簡単ではありませんでした。特に、ブラウザ上で処理が重くならないよう調整することが大きな課題でした。

テストと最適化を重ねた結果、PCでもスマホでも軽快に動作する仕組みを実現できました。

またAIは、候補単語の優先度や最適な単語選びをサポートする部分にも活用しています。ただ答えを示すのではなく、ユーザーが“自力で辿り着けるよう導く”形を採用しています。

■ 開発時にぶつかった課題

開発はコーディングだけではありません。多くの課題がありました。

学習にも使える、適切でバランスの良い単語リストの選定

難しい説明が不要な直感的UI

「ズルにならない範囲」のサポートに留める調整

特に単語リストは、古すぎる単語やほとんど使われない単語を除外し、ゲームとしても教育的にも適した語彙に整える必要がありました。 そして、倫理的にも「ゲームの面白さを奪わない」ことを常に意識しました。

■ 過去の私と同じユーザーのために

Wordle Helper を作るモチベーションの根底には、「困っている人を助けたい」という想いがありました。 私と同じように、Wordle が好きでも“語彙力の壁”に苦しむ人が少しでも楽しく遊べるように。

ヒントを見ながら単語を学べる

正解の瞬間がもっと気持ちよくなる

英語初心者でも自信がつく

ただ勝つためではなく、楽しく学び、自信を得るきっかけになることを願っています。

■ これから

Wordle Helper の開発は、「個人的な困りごと」から始まりましたが、今では多くのユーザーの声を受けて成長しているプロジェクトとなりました。 今後も改善を重ね、より多くの人が言語の壁を感じずにWordleを楽しめるようにしていきたいと思います。

Wordle Helper は、アクセシビリティとエンパワーメント（自分でできる力）を大切にしています。 小さなサポートでも、ゲームの楽しさは大きく変わります。ユーザーが新しい単語に出会い、Wordleをもっと好きになる姿を見ることは、私にとって何よりの喜びです。

このプロジェクトを通して得た学びは、 「思いやりのあるデザインは、個人の悩みを多くの人の助けに変えられる」 ということです。